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PARANOiAと、
TRIP MACHINE。

『よろしかったでしょうか』って間違った敬語? ゆで卵作るときは水から? お湯から? 結婚のご祝儀って素数じゃなきゃダメ? プレステのディスクの正しい取り出し方は? などなど、今さら聞けない疑問ってたくさんありますよね。中でも皆さんが気になって夜も眠れないであろう「やたら違うバージョンが存在するけど、パラノイアとトリップマシーンって、いったい何者?」について、現在のバージョンフォルダ順にちょこっと説明させてイタダキマス。

​※ジャケットはそのまま載せるとよくないのでかわいくしています

 

 

「彼らは何者なのか?」答えは「DDRの元祖ボス曲」である。

   1st MIX    

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PARANOiA / 180

DDRの生みの親・NAOKI氏が手掛けた初のコナミオリジナル楽曲。当時最速のBPM180にくわえ、SP譜面は収録されていた他楽曲の配置がつぎはぎに引用されており、身に着けたステップの集大成を発揮して挑まねばいけなかった。

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TRIP MACHINE / DE-SIRE

スラングで言うところの“trip”から連想される胡乱な曲調や名義のDesire(欲望)など、アブナイ雰囲気が目立つ曲。PARANOiAがストレートなボス曲ならばこちらは裏ボスという位置付け。作曲者はこちらもNAOKI。

以降、それぞれこの2曲が礎となり、高速・物量・捻り・縦連などのストレートな地力が重視されるPARANOiAシリーズ、交互難・裏拍入りのリズム難・斜め方向の同時配置などテクニックと認識力が重視されるTRIP MACHINEシリーズという譜面傾向が生まれ、引き継がれていく。

   2nd MIX    

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PARANOiA KCET ~clean mix~ / 2MB

もともとはCS版1stのボス曲。DDRの歴史を紐解いていく随所で欠かすことの出来ないU1-ASAMiの別名義・2MBの処女作。KCETは「Konami Computer Entertainment Tokyo」の略で、氏が当時所属していた部門名に由来している。clean mixはDIRTY MIXに引っ掛けたものと思われる。

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PARANOiA MAX ~DIRTY MIX~ / 190

赤パラ・パラマックス・パラダーティなど、呼び方はいろいろ。ルーレット(ランダム選曲)で選んだ時にのみ出現するバージョン「偽パラ」など、シリーズ中でも遊び心の効いた存在。上級者による回転プレーも親しまれたとか。

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SP-TRIP MACHINE ~JUNGLE MIX~ / DE-SIRE

ジャングルミュージック特有の沈み込むようなベースサウンドが加わったリミックス。SP激譜面にはいわゆる「アフロ踏み」配置があるが、この呼び名が定着する要因となるAFRONOVAは次作の3rdMIXで登場するため、元祖アフロ踏み譜面は厳密に言うとこちらである。

   3rd MIX    

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PARANOiA Rebirth / ’190

後述のEVOLUTIONで完結とされたPARANOiAシリーズ。しかし続編を望むプレイヤーたちの声に応える形でふたたび姿を現すことに。鳴り止まないアンコールが運命を変えた経緯にちなみ、Rebirth(再誕)と名付けられている。

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TRIP MACHINE ~luv mix~ / 2MB

CS版2ndReMIXの隠し曲。ほの暗い世界観が漂う2MB名義の二作目。冒頭の台詞、子どもの笑い声、倒れた三輪車など、愛からは程遠いようにも思える不穏なエッセンスが散りばめられている。

   4th MIX    

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PARANOIA EVOLUTION / 200

派生機種・Solo BASS MIXのボス曲。かつて細分化されていたバージョン別フォルダが現在の表記に統合された際、Soloシリーズの楽曲はすべて4thフォルダへ収録となったが、実際は先述のRebirthよりも先に登場している。PARANOiAシリーズはこの曲をもって完結する予定であった。

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TRIP MACHINE CLIMAX / DE-SIRE

破壊的なサウンドのガバ・ミックス。クライマックスは「終盤」ではなく「最高潮」を指す語。全体を通してとにかく同時踏みに特化した構成となっており、同シリーズの中でも特に体力消費が激しい。

   5th MIX    

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PARANOiA ETERNAL / STM200

踏切の警報音が印象深いこの曲は公募のリミックスコンテストで採用されたもの。作譜もリミックスした本人が担当しており、従来のPARANOIAシリーズにはあまり見られなかったリズム難要素が強い異色の仕上がりとなった。

   EXTREME    

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PARANOIA survivor / 270

バージョンMAX・MAX2では影を潜めていたため、約2年ぶりの新作となったPARANOiA。MAX300の登場により高難易度の振れ幅が大きく上がり、シリーズでは初の速度変化ギミック・フリーズアローが搭載。ボス曲としては十分すぎる譜面。いわゆる、激鯖。

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PARANOIA survivor MAX / 290

前述のsurvivorにミラーオプションを掛けた譜面を基軸に、BPMが20アップ。この20はけして侮れない。「鬼鯖」は本曲の鬼・CHALLENGE譜面を指し、「鬼鯖の激」は本曲の激・EXPERT(旧HEAVY)譜面を指す。

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TRIP MACHINE survivor / DE-SIRE

同じ「Survivor」を冠しているにも関わらず主張が控えめなのは、他楽曲と比べた際の難易度設定によるところが大きい。とはいえけして単純で安易な譜面というわけではなく、こちらもシリーズ初の速度変化・フリーズアローと、トリップマシーンらしい変拍子のリズムが悩ましい一曲。

   SuperNOVA    

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PARANOiA-Respect- / .3k

EXTREMEからSuperNOVAまでの約3年の間に発売されたCS版DDR「Party Collection」のボス曲当時CS版の楽曲を数多く手掛けていたSota Fujimoriによるリミックスで、名義の「.3k」は0.3k=BPMの300を指す。激譜面はフリーズアローを交えた斬新な視覚難の捻り配置が手強い。現在のバラエティ豊かなレベル16帯では派手なほうではないものの、どこか燻し銀な魅力を感じさせる。

   SuperNOVA2    

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PARANOiA ~HADES~ / αTYPE-300

SuperNOVAシリーズからサウンドディレクターとして加わったコンポーザー・junによるリミックス。禍々しい曲調と凶悪な同時配置は登場から10年以上経過した今でも最難関レベルに食い込む存在感を放ち、PARANOiA=ボス曲の風格を引き戻した。

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TRIP MACHINE PhoeniX / DE-SIRE

不死鳥の名を冠し甦ったTRIP MACHINE。現在はSP/DPともに激・鬼は同じレベル15。異なる難易度で同じレベルが設定されている譜面は配置の傾向が差別化されるため、プレイヤーの得手不得手により体感難易度が変化する。

   DDR X    

X-Special

  • PARANOiA (X-Special)

  • PARANOiA MAX~DIRTY MIX~ (X-Special)

  • PARANOiA ETERNAL (X-Special)

  • PARANOIA EVOLUTION (X-Special)

  • PARANOiA Rebirth (X-Special)

  • SP-TRIP MACHINE ~JUNGLE MIX~ (X-Special)

  • TRIP MACHINE (X-Special)

  • TRIP MACHINE CLIMAX (X-Special)

​(シリーズのみ抜粋)

X-Specialは、稼動10周年の節目を迎えたバージョンXでの新規書き下ろし譜面。難易度はCHALLENGEのみ。それぞれ初出バージョンでは存在しなかったフリーズアローが加えられたことにより、従来の譜面にはない新たな解釈を楽しむことができた。

 

PARANOiA・TRIP MACHINEに限った話ではないが、本シリーズは非常に玄人向けでトリッキーな配置が目立つ。譜面の意図を汲んでみるのも悪くないかもしれない。

 AC未収録:CS版DDR X 隠しボス曲 

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PARANOiA MAX ~DIRTY MIX~

(SMM-Special)

SMMとはCS版DDR Xのストーリーモードである「STREET MASTER MODE」の略。局所的に原曲よりも速いBPM95-380で歴代PARANOiAの寄せ集め配置を投げかけられるなかなかアクの強い譜面。SP17/DP18はCSからACへ未だ一度も移植されていない譜面としての最高難易度を誇る。

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SP-TRIP MACHINE ~JUNGLE MIX~

(SMM-Special)

こちらも負けず劣らず、曲中71回も停止ギミックが存在するとんでもない譜面。SP/DPともにレベルは13と控えめだが、音源自体のアレンジが一切ないままにギミックが追加されているため、下手に原曲を知っているからこそ停止・ソフラン箇所を覚えるのが難しい側面も。

   X3 vs 2ndMIX    

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PARANOiA (kskst mix) / 180

BEMANIシリーズではおなじみ、kors kによるリミックス。表題のkskstは本名のKousuke Saito・ネットスラングから由来すると思われる。レベル17として初の速度変化・停止のない譜面となり、いわゆるストロングスタイル譜面の先陣を切った。

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TRIP MACHINE (xac nanoglide mix) / DE-SIRE

後にDDR A20にてHeliosを書き下ろしたxac氏による、歪で攻撃的なリミックス。こちらも速度変化や停止ギミックこそないが、セオリー通りには抜けられない複雑な配置を見切り捌く力を要する譜面だ。

2曲ともKACへのエントリー得点として解禁されたDDR黎明期楽曲リミックスの一部。当時リマスター発売した2ndMIXのオリジナルサウンドトラックにボーナストラック扱いで収録されているが、収録元CDの権利関係から版権曲扱いとなっている。

 そしてシリーズ最終作へ 

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PARANOiA Revolution / CLIMAX of MAXX 360

TAGが手掛けた、X3 vs 2ndMIXのまごうことなき直球ボス曲。再現された2ndMIXモードでの演出とDDRそのものの壮大な軌跡を辿る曲構成、初代PARANOiAの手法をオマージュし過去のボス曲たちから引用された譜面、何より激18・鬼19という容赦ないレベリングは多くのプレイヤーたちへ立ちはだかり、闘志を駆り立てた。

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TRIP MACHINE EVOLUTION / DE-JAVU

djTAKAが手掛けた、X3 vs 2ndMIXにおけるもうひとつのボス曲。無機質で粋なビジュアルと心臓に悪い一歩目のノーツから始まり、問答無用の鋭いステップとギミック要素を引っ提げて登場。PARANOiA Revolutionと比較してもけして劣ることなく、バージョン、そして原曲の終幕にふさわしい存在として君臨した。

バージョンX3の稼働終了後である2013年、DDR、そして両曲の生みの親であるNAOKI氏がKONAMIを退社。

PARANOiA・TRIP MACHINEの歴史は事実上ここで幕を閉じた。

・・・とそれっぽい説明をしてみましたがいかがでしょうか、どの譜面もはじめは「なんじゃこりゃ」というインパクトを受けがちですが元祖ボス曲ってんなら納得もいきますわな!最近DDRをはじめた人も怖がらず遊んでみてくださいね。いややっぱり怖がっとくぐらいでちょうどいいかもです。

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